季語「樹氷(じゅひょう)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「樹氷(じゅひょう)」です。

樹氷

季語の解説:

「樹氷」は、冬の厳しい寒さの中で、木々に付着した氷や霧が凍りついて形成される自然現象です。白く輝く木々が連なる風景は幻想的で、特に青空を背景にした樹氷は冬の美しさを極めた景色といえます。樹氷は、雪と異なり透明感や光の反射を伴うため、純白でありながらも多様な表情を見せます。俳句では、樹氷を通じて冬の清らかさや厳かさ、冷たい空気の静寂が詠まれることが多いです。

季語を使った自作の俳句:

季語「樹氷(じゅひょう)」を使った俳句の例です。[2]

白銀の 衣まといて 樹氷立ち

解説:樹氷が白銀の衣をまとい、静かに立ち尽くす荘厳な冬景色を描いています。「白銀の」という表現が、樹氷の純粋な美しさと輝きを強調し、「衣まといて」という擬人化が、自然の中に優雅さや生命感を感じさせます。「樹氷立ち」という結びが、その静かな存在感を詩的にまとめ、冬の厳粛な美しさを際立たせています。この句は、静寂と冷たさの中に秘められた冬の壮麗さを見事に表現した作品です。

風吹きて 樹氷の歌声 流れ出す

解説:風が吹き付けることで、樹氷がまるで歌声を奏でているかのような幻想的な情景を描いています。「風吹きて」という冒頭が、自然の動きと冷たさを感じさせ、「樹氷の歌声」という表現が、風の音や氷の擦れ合う音を詩的に擬人化しています。「流れ出す」という結びが、音が広がりゆく様子を生き生きと描写し、樹氷が自然の中で生きているかのような印象を与えています。この句は、静寂と動きが織り成す冬の神秘的な情景を巧みに捉えた作品です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「樹氷(じゅひょう)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

北辺の 聖夜にあへる 樹氷かな

作者:飯田蛇笏

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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