季語「吹雪(ふぶき)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「吹雪(ふぶき)」です。

吹雪

季語の解説:

「吹雪」は、強い風を伴って雪が激しく降りしきる気象現象を表す季語です。視界を奪い、音をかき消すような激しさを持つ一方で、自然の力強さや冬の厳しさを象徴する情景としても描かれます。吹雪は、自然の猛威を表現する際に使われるだけでなく、荒々しい中に見られる美しさや静寂との対比を詠む際にも適しています。俳句では、吹雪が生み出すダイナミックな情景や、それに伴う人々の生活や感情の動きを描くことが多く、冬の厳しい一面を捉える季語として重宝されています。

季語を使った自作の俳句:

季語「吹雪(ふぶき)」を使った俳句の例です。[1]

吹雪過ぎ 輪郭の無い 世界へと

解説:吹雪が去った後の風景を、独特の視点で捉えた作品です。「吹雪過ぎ」という始まりが、自然の激しい動きが終息した瞬間を示し、静寂へと移る情景を想像させます。その後の「輪郭の無い世界へと」という表現が、雪が全てを覆い尽くし、風景が一体化してしまったような幻想的な広がりを描いています。この句は、冬特有の自然の変化を写実的でありながら抽象的にも感じられる形で表現しており、読む人に多様な解釈を与えます。厳しさの中に潜む美しさや、雪に包まれた非日常的な世界を詩的に捉えた一句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「吹雪(ふぶき)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

吹雪く窓 よぎる針金 ゆれどほし

作者:高浜年尾

山寺の 仁王たぢろぐ 吹雪かな

作者:幸田露伴

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。