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季語「冬の霧(ふゆのきり)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「冬の霧(ふゆのきり)」です。
冬の霧
「冬の霧」は、冬特有の冷たい空気の中に立ち込める霧を指す季語です。春や秋の霧とは異なり、冬の霧はより冷たさや静けさを伴い、白く濃密な霧が風景を包み込む様子が特徴的です。この季語は、視界が遮られた中に広がる静寂や、霧に隠れたものへの想像を掻き立てる情景を描写する際に使われます。また、霧がもたらす神秘的で幻想的な雰囲気を詠むことで、冬の厳しさやその中にある美しさを表現することができます。
季語「冬の霧(ふゆのきり)」を使った俳句の例です。[1]
冬の霧 白銀世界 迷い込み
解説:冬の霧が作り出す幻想的な空間の中で、自分がまるで別世界に足を踏み入れてしまったかのような感覚を描いています。「白銀世界」という言葉が、雪に覆われた静謐で美しい風景を際立たせ、続く「迷い込み」が、霧による視界の遮断と、それによって生じる非現実的な雰囲気を巧みに表現しています。句全体からは、自然の持つ神秘性と、その中での人間の小ささが感じられ、読者に一瞬の不思議な体験を共有させる印象的な一句です。
季語「冬の霧(ふゆのきり)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
冬霧の はれゆく墓の 減りもせず
作者:石田波郷
橋に聞く ながき汽笛や 冬の霧
作者:中村汀女
月光の しみる家郷の 冬の霧
作者:飯田蛇笏
冬霧の 夜のなげきとは なりにけり
作者:久保田万太郎
著者 / Tommy Ikura
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