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季語「冬の雲(ふゆのくも)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「冬の雲(ふゆのくも)」です。
冬の雲
「冬の雲」は、冬特有の冷たく重い雲を表す季語です。空を覆う冬の雲は、低く垂れ込め、時にどっしりと重たく感じられることが多く、その色合いも灰色や鉛色を帯びています。冬の厳しい寒さや曇天の寂しさを象徴する一方で、その雲の奥にある光や動きが、新たな希望や変化を感じさせることもあります。俳句では、冬の雲を用いて静けさや冷たさ、季節の重みを表現したり、曇天の中にある微かな明るさを描写することで、自然の多様な表情を詠むことができます。
季語「冬の雲(ふゆのくも)」を使った俳句の例です。[1]
ずっしりと 抱える雪か 冬の雲
解説:「ずっしりと」という擬音語で冬の雲の重さを効果的に表現し、「抱える雪か」という疑問形の表現が、雲の中に隠れている雪の存在を想像させます。「冬の雲」で締めくくることで、雲が持つ静かな重圧感と冬特有の冷たさ、そして季節感を巧みに描き出しています。句全体を通じて、冬の自然の厳しさや雪の降る予兆を感じさせつつも、その背後にある静寂や壮大さも伝わってきます。読者に冬の空の奥行きを感じさせる、想像力を広げる一句です。
季語「冬の雲(ふゆのくも)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
冬の雲 ひそかに藍を 刷きにけり
作者:久保田万太郎
卵黄の ごとくに日あり 冬の雲
作者:阿波野青畝
噴煙を 追ふつぎつぎの 冬の雲
作者:高野素十
著者 / Tommy Ikura
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