季語「冬の月(ふゆのつき)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「冬の月(ふゆのつき)」です。

冬の月

季語の解説:

「冬の月」は、冬の澄んだ空気の中で輝く月を指す季語です。冬の冷たさが澄み切った空を作り、月光がその透明感を一層引き立てるため、他の季節の月とは異なる静謐さや鋭さを感じさせます。冬の月は、夜空に浮かぶ光として孤高の美しさを持ち、時には厳しい冬の自然を和らげる存在として描かれることもあります。俳句では、冬の月の光と影が織りなす情景や、それを眺める人々の心情を詠むことで、季節の冷たさとその中にある温かみを表現する際に用いられます。

季語を使った自作の俳句:

季語「冬の月(ふゆのつき)」を使った俳句の例です。

鴨川や 鍋の湯気越し 冬の月

解説:冬の鴨川の風景と、鍋を囲む温かいひとときが巧みに重ね合わされています。「鴨川や」という切れ字が、場所の静寂と壮大さを際立たせ、冬の冷たさを感じさせます。一方で、「鍋の湯気越し」という表現が、湯気が立ち上る様子を視覚的に伝え、寒さの中にある温もりや人間味を加えています。そして「冬の月」で締めくくられることで、月の静かな輝きが全体に穏やかな余韻を与えています。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「冬の月(ふゆのつき)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

静かなる かしの木はらや 冬の月

作者:与謝蕪村

屋根の上に 火事見る人や 冬の月

作者:正岡子規

次に見し 時は天心 冬の月

作者:稲畑汀子

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著者 / Tommy Ikura

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