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季語「立冬(りっとう)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「立冬(りっとう)」です。
立冬
「立冬」とは、二十四節気の一つで、暦の上で冬が始まることを指します。11月上旬頃にあたり、日ごとに寒さが深まる中で、冬の気配が明確に感じられる時期です。立冬は、自然界の変化や季節の移ろいを意識する季語として俳句で多用されます。この季語は、冬の訪れを迎える期待や名残の秋への寂しさを表現する際に用いられます。また、木々の葉が落ち始めたり、冷たい風が吹き始めたりする中で、人々が冬支度を始める光景を詠むのにも適しています。立冬は、自然と人間の営みが季節の移ろいに対応していく情緒を描く季語です。
季語「立冬(りっとう)」を使った俳句の例です。[2]
立冬や 冷たき風に 下を向き
解説:立冬の冷たい風にさらされて思わず下を向いてしまう情景を描いています。「立冬や」という冒頭が、冬の始まりの厳しさと静けさを伝え、「冷たき風に」という表現が、季節の変化を身体感覚として具体的に示しています。「下を向き」という結びが、自然の厳しさに反応する人間の自然な仕草を詩的に捉えており、控えめで素朴な中に深い季節感を感じさせます。この句は、立冬の寒さを象徴しつつ、それを静かに受け入れる情緒を表現した作品です。
立冬や 夜が主役の 季節なり
解説:立冬を迎え、夜が長くなる冬の季節を象徴的に表現しています。「夜が主役の」という比喩が、この季節の特徴を巧みに捉え、夜の時間が季節の中心となる様子を印象深く描いています。「季節なり」という結びが、夜を中心とした冬の世界観を静かに締めくくり、冬という季節の持つ静謐さと深みを感じさせます。この句は、冬特有の夜の時間の長さを詩的に描写し、季節感をシンプルながらも的確に伝えています。
季語「立冬(りっとう)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
冬立つや 背中合せの 宮と寺
作者:正岡子規
立冬や 手紙を書けば 手紙来る
作者:山口青邨

著者 / Tommy Ikura
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