季語「師走(しわす)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「師走(しわす)」です。

師走

季語の解説:

「師走」は、旧暦の12月を指し、現代の12月の異名としても使われています。「師(僧侶)が走るほど忙しい月」とも言われ、年末に向けて何かと忙しなくなる時期を象徴する言葉です。師走には年末年始の準備や大掃除、年越しの準備が重なり、多くの人が慌ただしく過ごす一方で、年末の静けさや新年を迎えるための心の整理も含まれています。俳句では、「師走」を用いることで、年の瀬の忙しさ、年末に感じる感慨、あるいは新年への期待などが表現されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「師走(しわす)」を使った俳句の例です。[2]

師走の朝 厚めの上着 心地よい

解説:師走の寒い朝、厚めの上着を羽織ることで感じる暖かさや快適さを詠んでいます。忙しさが増す年末特有の雰囲気の中で、「厚めの上着」という具体的な描写が季節感を的確に伝え、「心地よい」という結びが、冬の冷たさを温かさに変える人々の工夫や穏やかな一瞬を表現しています。この句は、師走の寒さを描きながらも、その中にある小さな快適さや幸福感を感じさせる温かみのある作品です。

師走かな 笑顔を交わす 挨拶回り

解説:師走の忙しさの中で、挨拶回りをしながら笑顔を交わす人々の情景を描いています。「師走かな」という冒頭が、年末の慌ただしさや独特の活気を示し、「笑顔を交わす」という描写が、人々の間に流れる穏やかで温かい空気感を象徴しています。挨拶回りという行動を通じて、年末ならではの人と人とのつながりを感じさせるこの句は、師走の季節感と人間関係の温かさを巧みに融合させた作品です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「師走(しわす)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

旅寝よし 宿は師走の 夕月夜

作者:松尾芭蕉

さいかちの こぼれこぼれつ 師走かな

作者:室生犀星

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著者 / Tommy Ikura

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