- Home ›
- 冬の季語一覧 ›
- 冬[時候]の季語一覧
季語「行く年(ゆくとし)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「行く年(ゆくとし)」です。
行く年
「行く年」とは、過ぎていく一年の終わりを指す言葉です。大晦日の夜や年末の静けさの中で、人々が一年を振り返りながら、新しい年への期待を抱く情景に用いられます。「行く年」は、一年の最後の瞬間を象徴する季語として、俳句では惜別の情感や時間の移ろいを詠む際に使われます。また、年末特有の慌ただしさや、穏やかに終わる日々を描く場合にも適しています。
季語「行く年(ゆくとし)」を使った俳句の例です。[2]
行く年や 心に浮かぶ 人の顔
解説:「行く年」という季語を通じて、一年の終わりに訪れる感慨を丁寧に描いています。「心に浮かぶ人の顔」という表現が、過ぎ去った一年の出来事や出会った人々への想いを静かに映し出し、懐かしさや感謝の感情がにじみ出ています。「行く年や」という切れ字が句の冒頭にあることで、年の瀬ならではの時の流れを強調し、その中でふと心に浮かぶ人の顔が、温かな余韻を残します。この句は、過ぎゆく時間と人とのつながりを詠んだ、情感豊かで心に響く一句です。
行く年や 友と語りし 明日の夢
解説:「行く年」という季語を用いて、一年の終わりに感じる感慨と未来への期待を織り交ぜています。友と語り合う場面が描かれ、その会話の中に「明日の夢」が含まれることで、年末の寂しさだけでなく、新年への希望や絆の温かさが感じられます。「行く年や」という切れ字が、過ぎゆく時間への区切りと重みを強調し、その中で友との会話が心の中に響き渡る情景を伝えています。この句は、過ぎ行く時間とその中に残る温かい思い出を詠み込み、感謝と希望の両方を感じさせる一句です。
季語「行く年(ゆくとし)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
行年や 芥流る々 さくら川
作者:与謝蕪村
行く年や 空の青さに 守谷まで
作者:小林一茶

著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。