季語「年惜しむ（としおしむ）」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「年惜しむ（としおしむ）」です。

年惜しむ

「年惜しむ（としおしむ）」は、過ぎ去ろうとする一年を惜しむ心情を表す冬の季語です。年の瀬が近づくにつれて、去りゆく時間への感慨や、新しい年への期待が交錯する独特の心理を反映しています。この季語は、一年の終わりに感じる寂しさや感謝、振り返りといった感情を詠む際に多用されます。俳句では、時間の流れや変化を意識しながら、静かに過ぎ去る年に向き合う瞬間や、名残惜しさを描写することで、季節の移ろいや人生の無常を表現します。「年惜しむ」という言葉には、単なる寂しさだけでなく、感謝や希望、再生の予感も込められるため、詩的な広がりを持つ季語です。

ありません。

季語「年惜しむ（としおしむ）」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

年惜しむ 心うれひに 変りけり

作者：高浜虚子

しら雲に 鷹まふ嶽の 年惜しむ

作者：飯田蛇笏

年惜しむ 太陽うつる にはたづみ

作者：阿部みどり女

年惜む 無音を濡らす ほどの雨

作者：長谷川かな女