季語「春近し(はるちかし)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「春近し(はるちかし)」です。

春近し

季語の解説:

「春近し」は、厳しい冬の終わりが見え始め、春の気配が徐々に感じられる時期を表す季語です。冬の寒さが緩み、自然界の中に春の訪れの兆しが現れる様子が含まれています。この季語は、春への期待感や、寒さから解放される喜びを表現する際に使われます。俳句では、季節の移ろいを感じさせる風景や、冬を超えて次の季節を待ち望む人々の心情を描写することで、春の訪れを予感させる情緒的な作品に活用されます。

季語を使った自作の俳句:

季語「春近し(はるちかし)」を使った俳句の例です。[2]

春近し 人の歩みも 軽やかに

解説:春の訪れが近づき、寒さが和らいだことで人々の心や体が軽やかになる様子を端的に描いています。「春近し」という季語が冒頭に置かれることで、春への期待感と心の明るさが際立ちます。「人の歩みも軽やかに」という表現は、日常の風景を描きながら、春の兆しが人々に与えるポジティブな影響を柔らかく伝えています。簡潔で親しみやすい句でありながら、春の希望を感じさせる温かい作品です。

春近し 袴揺らして 式の道

解説:春に近づく季節感と人生の節目を繊細に表現しています。「袴揺らして」という具体的な描写が視覚的な鮮明さを与え、卒業式や入学式といった春に関連する特別な日の情景を思い起こさせます。「式の道」という締めが、節目の厳かな雰囲気を強調しつつ、新たな始まりへの期待感も含ませています。春特有の明るさと感慨深さが同居した、心に響く句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「春近し(はるちかし)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

春近し 廻国どもが 下駄の泥

作者:飯田蛇笏の俳句

春近し 石段下りて 薺あり

作者:高野素十

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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