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季語「冬の海(ふゆのうみ)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「冬の海(ふゆのうみ)」です。
冬の海
「冬の海」は、冬特有の寒々しく静かな海の情景を指します。夏のにぎやかで明るい海と対照的に、冬の海は荒涼としていて厳しさが際立ちます。冷たい風に吹かれ、波が荒々しく打ち寄せる様子や、青灰色の海面が見せる静寂と無限の広がりが特徴的です。俳句では、荒涼とした美しさや厳しい自然の力を詠むことが多いですが、一方で、冬の海がもたらす静けさや孤独感を描くこともあります。この季語は、冬の自然の厳しさや雄大さを詠む際に用いられ、読者に寒さや広がりを強く印象付けます。
季語「冬の海(ふゆのうみ)」を使った俳句の例です。[2]
叫んでも 冬の海へと 流されり
解説:人が冬の海に向かって叫ぶも、その声が波や風に飲み込まれ、無力感の中で流れていく様子を描いています。「叫んでも」という切実な感情が、冬の海の力強さと冷たさに対して無力であることを強調し、「冬の海へと流されり」という結びが、自然の大きさや人間の小ささを示しています。この句は、冬の自然に対する畏敬の念と、その中での人間の儚さを巧みに詠んでおり、静かでありながらも内に秘めた力強さを持つ作品です。
冬の海 鉛色した 空映し
解説:冬の海が空をその水面に映し出す静かな情景を描いています。「鉛色」という表現が、冬の重苦しい空気感と陰鬱な雰囲気を的確に表現しており、それが海面に映し出されることで、冬の冷たさや静けさが増幅されています。シンプルでありながら、自然の一体感と冬特有の寂寥感を感じさせる句です。全体的に静謐で視覚的な美しさがあり、読む人に冬の海の広がりを感じさせる作品です。
季語「冬の海(ふゆのうみ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
白き波 青き波間や 冬の海
作者:稲畑汀子
著者 / Tommy Ikura
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