季語「冬野(ふゆの)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「冬野(ふゆの)」です。

冬野

季語の解説:

「冬野」とは、冬の季節に広がる野原や野山を指します。草木が枯れ果てて広がる寂寥感や、寒風が吹き抜ける厳しさ、静寂と広がりが感じられる風景が特徴です。人や動物の気配が少ない、冬の自然の静けさを象徴する季語として用いられます。俳句では、広がりや孤独感、生命の気配の希薄さを詠み込むことで、冬の風情を伝えることが多いです。

季語を使った自作の俳句:

季語「冬野(ふゆの)」を使った俳句の例です。

足跡が 冬野に浮かぶ 道となり

解説:広がる冬野の中に足跡が道のように浮かび上がって見える様子を詠んでいます。静かな冬野に生じた足跡が、誰かが歩んだ記憶や痕跡を象徴しており、冬野の静寂と人間の存在感が対比的に描かれています。「浮かぶ」という表現が視覚的で、雪の白さに際立つ足跡をうまく表現しています。

子ウサギが 冬野に残す 道しるべ

解説:子ウサギが冬野に残した足跡を「道しるべ」に見立てて詠んだ俳句です。ウサギの小さな足跡が、静かな冬野に生き物の気配を与える温かい句で、足跡を道しるべと捉える発想がユニークです。冬の厳しい中にも生命の息吹が感じられる視点が魅力です。

寒き夜 冬野を包む 雪静か

解説:寒い冬の夜、雪が冬野全体を静かに包み込んでいる様子を詠んでいます。「雪静か」という表現が、冬野の静寂と雪が降る情景を的確に描写しており、夜の冷たさと静けさがよく伝わる句です。シンプルながらも冬の夜の厳かさが感じられる俳句です。

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著者 / Tommy Ikura

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