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季語「氷柱(つらら)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「氷柱(つらら)」です。
氷柱
「氷柱」とは、寒さが厳しくなる冬に、屋根の軒先や崖の縁などから水が凍って垂れ下がった氷の柱を指します。透明で美しい見た目は冬の冷たさを象徴し、しんと静まった空間に趣を加えます。俳句では、氷柱の透明感や形の面白さを描くほか、その儚さや自然の力を感じさせる視点が多く詠まれます。特に氷柱が陽に光る様子や溶けていく様子は、自然の美と儚さを象徴的に表現します。
季語「氷柱(つらら)」を使った俳句の例です。
氷柱解け 滴奏でる 冬の歌
解説:氷柱が解けて滴り落ちる水滴が、まるで音楽を奏でるように感じられる情景を描いています。「氷柱解け」という冒頭が、冬の終わりを感じさせ、「滴奏でる」という詩的な表現が、音を通じて動きを生き生きと伝えています。「冬の歌」という結びが、自然の営みを音楽にたとえ、寒さの中にも生命の美しさや温かさを感じさせます。この句は、視覚と聴覚を巧みに交え、冬の情景を詩的に捉えた作品です。
軒先に 並ぶる氷柱 背比べ
解説:軒先に並んだ氷柱を人の背比べに見立てた情景を描いています。「軒先に並ぶ氷柱」という視覚的な描写が、寒さの中にもどこか親しみやすさや遊び心を感じさせます。「背比べ」という比喩が、静物としての氷柱に生命感を与え、日常の中の小さな発見を巧みに詠み込んでいます。冬の寒さを描きながらも、温かみのある視点がユニークで、読者にほほえましい印象を与える俳句です。
日が伸びて 氷柱は小さく なりにけり
解説:日が伸びて季節が移り変わり始める中、氷柱が小さくなっていく様子を描いています。「日が伸びて」という冒頭が、冬の終わりと春の訪れを予感させ、「氷柱は小さくなりにけり」という結びが、時間の流れや自然の変化を静かに伝えています。この句は、冬から春への移行を視覚的に描きながらも、儚い美しさを感じさせる作品です。静かな観察と移ろいゆく季節の象徴が詠まれており、温かみのある余韻を残します。
季語「氷柱(つらら)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
みちのくの 町はいぶせき 氷柱かな
作者:山口青邨
坑氷柱 泣かんばかりの 坑裸燈
作者:秋元不死男
夕焼けて なほそだつなる 氷柱かな
作者:中村汀女
著者 / Tommy Ikura
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