季語「おでん」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「おでん」です。

おでん

季語の解説:

「おでん」は、冬の定番料理で、出汁で煮込んだ大根や卵、こんにゃく、練り物など、さまざまな具材が入った温かい煮物です。特に寒い日には身体を温めてくれる家庭的な料理として親しまれており、居酒屋や屋台、家庭でも楽しむことができます。おでんは具材ごとに出汁が染み込み、冬の温かさやほっとする気持ちを感じさせます。俳句では、「おでん」を使って寒さの中での温もりや団らん、季節の風情が表現されることが多いです。

季語を使った自作の俳句:

季語「おでん」を使った俳句の例です。

おでん鍋 玉子にちくわ 大根や

解説:寒い季節に楽しむおでん鍋の具材を並べることで、温かく家庭的な情景を描き出しています。「おでん鍋」という冒頭の言葉が、寒さを和らげる料理としての存在感を強調しています。「玉子にちくわ 大根や」という具材の具体的な列挙が、読者に視覚的なイメージを与え、ほくほくとしたおでんの湯気や香りまで感じさせます。「大根や」で終えるリズムが、句全体に穏やかな温かさをもたらし、家庭のぬくもりと冬の食卓の風景を鮮やかに伝えています。シンプルながら季節感豊かな一句です。

おでん鍋 湯気の中から 笑い声

解説:おでん鍋を囲む家族や友人たちの温かい交流を、湯気とともに情感豊かに描いています。「おでん鍋」という言葉が、冬の食卓に広がる温もりと香りを瞬時に伝えます。「湯気の中から」という表現が、立ち上る湯気の柔らかさや、鍋を囲む人々の親密な雰囲気を想起させます。そして「笑い声」という結びが、寒い冬の中でも心が温まる和やかなひとときを象徴しています。視覚だけでなく、音や空気感までも伝わる、温かみあふれる一句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「おでん」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

硝子戸に おでんの湯気の 消えてゆく

作者:高浜虚子

おでんの灯 文学祭は 夜となりぬ

作者:山口青邨

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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