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季語「蒲団(ふとん)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「蒲団(ふとん)」です。
蒲団
「蒲団」は冬の生活を象徴する季語であり、寒さをしのぐための寝具を指します。特に冬は蒲団が温かさを保つ象徴的な存在であり、家庭の中の温もりや静けさを描写する際によく用いられます。また、布団から離れたくない心理や冬ならではの朝の辛さを詠む俳句にもしばしば使われます。「蒲団」は寒い季節の人々の生活感や、安らぎを感じさせる温かさを表現するのに適した季語です。
季語「蒲団(ふとん)」を使った俳句の例です。[2]
朝の音 蒲団に響き 潜り込む
解説:冬の寒い朝の情景を描いています。「朝の音」は、朝の生活が始まる音や外から聞こえる自然の音を暗示しており、静かな冬の朝を感じさせます。「蒲団に響き」は、外の音が布団の中にまで届くほどの静寂と、布団の中での安心感を表しています。「潜り込む」という動作は、寒さを避けて暖かい布団の中に包まれる様子を生き生きと表現しており、冬の朝の憂鬱さと布団の温もりが対比的に描かれています。全体的に、寒さの中で人が布団に安らぎを求める日常的な光景が詩的に表現された俳句です。
霜の宵 蒲団抱く子は 夢の中
解説:霜が降りるほど冷え込む冬の宵の情景を捉えています。「霜の宵」は、厳しい冷え込みを感じさせる季語で、静かな夜の空気感を伝えています。「蒲団抱く子」は、小さな子どもが寒さから身を守るように布団を抱きしめている愛らしい姿を思い起こさせます。「夢の中」は、子どもがその布団の暖かさの中で安心して眠り、夢の世界にいる様子を描いています。全体を通して、冬の厳しい寒さの中にある温かな家族の風景や、子どもの無垢な幸福感がしみじみと感じられる俳句です。
季語「蒲団(ふとん)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
被き伏す 蒲団や寒き 夜やすごき
作者:松尾芭蕉
つめたかりし 蒲団に死にも せざりけり
作者:村上鬼城
著者 / Tommy Ikura
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