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季語「焼藷(やきいも)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「焼藷(やきいも)」です。
焼藷
「焼藷(やきいも)」は、冬の寒い季節に人気のある、素朴で懐かしい食べ物です。焚火や石焼き芋など、焼かれて香ばしい香りが漂う情景は、冬特有の温かさを象徴しています。その湯気や甘い香りは、冬の冷たさを和らげるだけでなく、心をほっとさせる力があります。この季語は、家庭や街角の風景、子どもたちの笑顔など、日常的な冬の情景を描写するのに適しています。
季語「焼藷(やきいも)」を使った俳句の例です。
焚き火見て 祖父の焼藷 思い出し
解説:焚き火を見た瞬間、祖父が焼き芋を焼いてくれた記憶が蘇る情景を描いています。焚き火の暖かさとともに、祖父の姿が記憶の中でよみがえるという温かな感情が句全体を包んでいます。過去の愛情深い瞬間を冬の風物詩と絡めて表現しており、懐かしさや感傷的な気持ちが静かに伝わってくる一句です。
焼藷の 皮むき輝く 黄金色
解説:焼き芋の皮をむいた瞬間に現れる黄金色の中身の美しさに焦点を当てています。視覚的な驚きや喜びが感じられる句であり、焼き芋という素朴な冬の楽しみが、まるで宝物のように描かれています。香りや温かさが含まれていない分、黄金色の美しさそのものが際立つ情景が特徴で、シンプルながらも強い印象を残す一句です。
帰る道 焼藷思う 子の足早
解説:寒い帰り道に焼き芋を楽しみにしている子どもの無邪気な心情を詠んでいます。焼き芋への期待感が子どもの足取りを速めるという、動きのある情景が親しみやすく、ほのぼのとした冬の日常を感じさせます。焼き芋という季節の象徴が子どもの純粋な気持ちと重なり、温かみと愛らしさを兼ね備えた句です。
著者 / Tommy Ikura
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