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季語「雪吊(ゆきつり)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「雪吊(ゆきつり)」です。
雪吊
「雪吊(ゆきつり)」は、雪の重みで枝が折れたり木が倒れたりするのを防ぐために、庭木や樹木に施される冬の風物詩です。支柱と縄で枝を吊り、雪の重さを分散させる技術は、特に日本庭園や北陸地方で目立つ景色となります。整然とした形状や雪が積もった風景は、冬特有の美しさを持ち、寒さと対比する静寂さや自然との調和を感じさせます。
季語「雪吊(ゆきつり)」を使った俳句の例です。
庭先に 雪吊施し 冬迎う
解説:冬支度として雪吊を施す情景を通じて、自然との共生と季節の移ろいを描いています。庭先で雪吊作業をする人々の姿と、それによって冬を迎える準備が整う静かな達成感が伝わります。「庭先」という具体的な場所が、身近な情景として読者に親しみやすさを与え、冬の訪れに対する穏やかな期待感を表現しています。
雪吊りの 手際に見とれ 冬日和
解説:雪吊を施す職人や作業者の熟練した動きに焦点を当てています。その手際の良さや無駄のない動きに見惚れる感覚を「冬日和」という穏やかな季節の空気とともに描写しています。作業の動的な美しさと静かな冬の空気感が絶妙に調和しており、日常の中に潜む詩的な瞬間を切り取った一句です。
雪吊りの 樹々を眺めて 冬を知る
解説:雪吊された木々を眺めることで冬の到来を実感するという、感覚的で静謐な情景を詠んでいます。整然とした雪吊の姿が、季節の移り変わりを象徴し、風景を眺める詠み手の静かな心情が伝わります。「冬を知る」という表現が、木々の姿を見て自然が持つ力や美しさを改めて感じさせ、季節感を強く印象づけています。
著者 / Tommy Ikura
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