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季語「褞袍(どてら)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「褞袍(どてら)」です。
褞袍
褞袍(どてら)は、冬の寒さをしのぐために用いられる厚手の綿入れの着物のことです。袖があるため動きやすく、家での防寒着として広く使われてきました。その重みや温かさは、冬の冷え込みを和らげるだけでなく、家庭のぬくもりや落ち着いた雰囲気を象徴します。褞袍は、火鉢やこたつなどの冬の風物詩とともに描かれることが多く、冬の静かな生活感や、日常の安らぎを伝える題材となります。この季語を用いた俳句では、褞袍を着て過ごす時間や、そこに漂う家族の和やかさ、または冬の寒さとの対比が詠まれます。
季語「褞袍(どてら)」を使った俳句の例です。[1]
旅先で 褞袍の温もり 懐かしき
解説:旅先で褞袍を着たときに感じる温もりが、故郷や過去の記憶を呼び起こす情景を詠んでいます。「旅先で」という言葉が、普段とは違う場所での特別な感覚や、非日常を感じさせます。「褞袍の温もり」が、冷えた冬の旅先での安心感や家庭的なぬくもりを象徴し、体だけでなく心を温める存在として描かれています。そして、「懐かしき」という結びが、過去の記憶や心の原風景を思い出させ、冬の旅に漂う郷愁の深さを見事に伝えています。温かさと切なさが交錯した一句です。
季語「褞袍(どてら)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
褞袍の脛 打つて老教授 「んだんだ」と
作者:加藤楸邨
昨今の 心のなごむ 褞袍かな
作者:飯田蛇笏
星移り 物変りどてら 古びけり
作者:日野草城
著者 / Tommy Ikura
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