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季語「鰭酒(ひれざけ)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「鰭酒(ひれざけ)」です。
鰭酒
鰭酒は、香ばしく炙った魚の鰭(特にふぐの鰭)を熱燗に浸して香りと旨味を楽しむ酒で、冬の味覚として親しまれています。寒い季節に体を温める飲み物として人気があり、独特の風味と香りが冬の風情を一層引き立てます。鰭酒は、囲炉裏や鍋料理とともに供されることが多く、冬の宴席や静かな夜のくつろぎのひとときを象徴します。この季語を用いた俳句では、湯気とともに立ち上る香りや、冬の寒さの中で味わう鰭酒の温かさ、その一杯に込められた贅沢な味わいが詠まれます。冬の味覚と風物詩を描く題材として多用されます。
季語「鰭酒(ひれざけ)」を使った俳句の例です。[1]
鰭酒で 体火照りし 千鳥足
解説:鰭酒を楽しんだ後の暖かさと、ほろ酔い気分を描いています。「鰭酒で」という冒頭が、冬の特別な味わいを想起させ、その香りと温もりが伝わってきます。「体火照りし」という表現が、寒さを忘れるほどの暖かさや鰭酒の効果を巧みに表現しています。そして「千鳥足」という結びが、楽しいひとときの余韻をユーモラスに描き、冬の寒さの中でも心がほぐれる情景を生き生きと伝えています。季節の味覚と人間らしい温かみが詰まった一句です。
季語「鰭酒(ひれざけ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
鰭酒や 逢へば昔の 物語
作者:高浜年尾
鰭酒も 春待つ月も 琥珀色
作者:水原秋桜子

著者 / Tommy Ikura
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