季語「玉子酒(たまござけ)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「玉子酒(たまござけ)」です。

玉子酒

季語の解説:

玉子酒は、酒に砂糖と生卵を加えて温めた飲み物で、風邪をひいたときに体を温める効果があるとされ、古くから家庭で親しまれてきました。冬の寒さが厳しい時期には特に需要があり、飲むと身体の芯から温まるため、風邪の予防や治療としても重宝されています。その甘さと卵の滑らかさが心地よく、冬の家庭の温かさを象徴する飲み物でもあります。この季語を用いた俳句では、玉子酒を作る家庭的な情景や、それを飲むことで得られる温もり、寒さを忘れさせる安心感などが詠まれることが多いです。

季語を使った自作の俳句:

季語「玉子酒(たまござけ)」を使った俳句の例です。[1]

玉子酒 母の思い出 蘇り

解説:玉子酒を通じて母親の思い出が鮮やかに蘇る情景を描いています。「玉子酒」という冒頭が、冬の家庭的な温かさと母親が作った特別な飲み物を想起させます。「母の思い出」というフレーズが、玉子酒に込められた母親の愛情やぬくもりを引き立てます。そして「蘇り」という結びが、懐かしさや感謝の感情を深く表現し、玉子酒を飲むひとときが記憶の旅を誘う特別な時間であることを巧みに伝えています。冬の静寂と家庭の絆が響き合う一句です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「玉子酒(たまござけ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

いざ一杯 まだきににゆる 玉子酒

作者:与謝蕪村

かりに着る 女の羽織 玉子酒

作者:高浜虚子

我背子が 来べき宵なり 玉子酒

作者:尾崎紅葉

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

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