- Home ›
- 冬の季語一覧 ›
- 冬[植物]の季語一覧
季語「枯葉(かれは)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「枯葉(かれは)」です。
枯葉
「枯葉(かれは)」は、木々の葉が枯れて落ちる、冬特有の情景を表す季語です。秋の紅葉が終わり、冬の厳しい気候の中で地面を覆う枯葉は、侘しさや静けさ、または自然の移り変わりを象徴します。その音や香り、色などは俳句の題材としても豊かで、枯葉が風に舞う様子や地面に積もる情景など、さまざまな視点で詠まれることが多いです。
季語「枯葉(かれは)」を使った俳句の例です。
寒さ増し 枯葉の山に 霜降りて
解説:冬の冷たさが一段と増す中で、枯葉の山が霜に覆われている静かな情景を詠んでいます。「寒さ増し」という導入で、読者に季節の厳しさを感じさせ、「枯葉の山」という具体的な描写が自然の移ろいを明確に示しています。そして「霜降りて」という結びが、冬の透明感と儚さを静かに表現しています。冬の早朝や冷たい夜を連想させるような句で、冬特有の美しさと厳しさを兼ね備えた作品です。
枯葉踏む 行きかう人が 曲奏で
解説:冬の街道で人々が枯葉を踏む音を音楽に見立てて詠んでいます。「枯葉踏む」という具体的な描写に続き、「行きかう人が」という表現で動きを感じさせ、日常の一コマに詩的な響きを与えています。「曲奏で」という結びが、枯葉を踏む音を耳に心地よい音楽のように表現し、冬の寂しさの中に楽しさや温かさを感じさせる点が印象的です。冬の日常の小さな美を拾い上げた句と言えます。
白き空 肩に舞い散る 枯葉かな
解説:冬の白く広がる空と、枯葉が舞い落ちる動きを捉えた詩情豊かな一句です。「白き空」が寒々しさを背景に描き出し、肩に舞い散る枯葉が動きと温もりを与えています。落葉の軽やかな動きが、冬の静けさの中に生命感を感じさせ、自然との一体感を生み出しています。また、「枯葉かな」という結びの余韻が、情景をさらに深く印象付けます。冬の儚さを愛でるような視点が美しく、心に響く作品です。
著者 / Tommy Ikura
毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。