季語「葱（ねぎ）」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「葱（ねぎ）」です。

葱

「葱」は冬の代表的な野菜であり、鍋料理や薬味など、さまざまな料理に用いられる食材です。冬の寒さの中でも、畑で青々とした姿を保つことから、生命力や健康を象徴する存在とも言えます。特に冬の鍋物には欠かせない存在で、その香りや味が家庭の温もりを感じさせます。俳句では、畑での収穫や調理の情景、またその鮮やかな色や香りを題材にすることが多いです。

季語「葱（ねぎ）」を使った俳句の例です。[2]

寝込みし日 葱をたっぷり おかゆ食べ

解説：風邪や体調不良で寝込んでいるときの温かな家庭の一場面を描いています。葱がたっぷり入ったおかゆは、病中の癒しと回復の象徴として心に響きます。シンプルな描写ながら、葱の香りやおかゆの温かさ、そしてそれを食べる安心感が想像でき、家庭の愛情や季節感が伝わってきます。冬の寒さに負けず、体をいたわる情景が心を温める一句です。

白葱の 味噌汁の匂い 冬の朝

解説：冬の朝の冷たい空気の中、白葱が香る味噌汁の湯気とともに描かれた家庭的な風景を感じさせます。味噌汁の匂いは、冬の朝特有の寒さを和らげ、食卓に温もりをもたらす存在として象徴的です。特に「白葱」という表現が句に彩りを添え、シンプルながらも五感を刺激する描写となっています。冬の日常を親しみやすく詠んだ句で、温かな家庭のぬくもりが鮮明に伝わる作品です。