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季語「左義長(さぎちょう)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「左義長(さぎちょう)」です。
左義長
「左義長(さぎちょう)」とは、小正月(1月15日頃)に行われる火祭りの行事で、地域によっては「どんど焼き」や「とんど」とも呼ばれます。門松や注連飾、書初めなど正月の飾り物を燃やし、その火で無病息災や家内安全を祈る伝統行事です。また、書初めを火にくべ、その灰が高く舞い上がると字が上達するといわれています。炎が高く燃え上がる様子や、火の暖かさ、舞い上がる煙と灰、見守る人々の姿が詠まれることが多く、正月の締めくくりとして新しい年の祈りや希望を象徴する季語です。句には、燃え上がる炎とともに過ぎゆく時や、未来への願いが込められます。
季語「左義長(さぎちょう)」を使った俳句の例です。[2]
左義長や 火柱昇る 願いと共に
解説:左義長の火祭りで燃え上がる炎を通して、人々の祈りや願いが天に届けられる様子を詠んでいます。「火柱昇る」という表現が、炎の勢いと力強さを際立たせ、左義長の神聖で荘厳な雰囲気を感じさせます。「願いと共に」という結びが、人々が炎に託した無病息災や新年の希望を象徴し、左義長という行事の持つ意味が心に沁みる一句です。炎が高く天に向かう情景には、過去を清め、新しい年に向かう静かな決意が込められており、視覚的な迫力と精神的な深みが美しく調和しています。
左義長や 頬を撫でゆく 火のゆらぎ
解説:左義長の火の穏やかな動きに触れた瞬間の情景を繊細に捉えています。「頬を撫でゆく」という表現が、炎の熱気を触覚として感じ取ることで、左義長の火祭りの温もりや優しさを描いています。「火のゆらぎ」という言葉が静かに揺れる炎の姿を想像させ、冬の冷たい空気の中で感じる穏やかな温かみが際立ちます。火祭りの持つ力強さや荘厳さとは異なり、日常の中の優しい一瞬に目を向けた作品で、視覚と触覚を組み合わせて情感豊かに表現されています。
著者 / Tommy Ikura
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