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季語「初釜(はつがま)」の解説と季語を使った俳句の例
新年の季節の季語の一つである「初釜(はつがま)」です。
初釜
「初釜(はつがま)」とは、新年最初に行う茶道の茶会を指し、茶人にとっては新たな一年の始まりを寿ぐ重要な行事です。茶室に招かれた人々は、新年の礼儀とともに、点てられたお茶をいただき、和やかな時間を過ごします。初釜は茶道の作法とともに、清々しい新年の気持ちや、道具や室礼(しつらい)に込められた心遣いも楽しむ場であり、格式と穏やかさが調和する時間です。俳句では、茶釜から立ち上る湯気や茶室の静謐な空気、道具や掛け軸の新春の装い、茶の湯を通じた人々の交流などが詠まれ、新年の清々しさや厳かさ、心の豊かさを象徴します。
季語「初釜(はつがま)」を使った俳句の例です。[2]
初釜の 湯気立ち上る 空高し
解説:新年の茶会である初釜において、茶釜から立ち上る湯気が澄んだ空へと伸びていく情景を詠んでいます。湯気の柔らかな動きと「空高し」という表現が、新年らしい清々しさや広がりを感じさせます。茶道の静謐な雰囲気とともに、清らかな湯気が茶席の静けさを破ることなく自然と立ち昇り、その先に広がる空が新しい年への希望や心の広がりを象徴しているようです。
招かれし 初釜の席 背筋たち
解説:初釜の茶席に招かれたことで、自然と姿勢が正される様子を詠んでいます。「招かれし」という言葉からは茶会への敬意や感謝が感じられ、「背筋たち」という表現には茶席の格式や緊張感がうまく表れています。初釜は新年の茶道の始まりとして特別な意味を持ち、その静謐な空気や凛とした雰囲気が、招かれた人々に心を正し、身を引き締めさせることが伝わります。茶室の空気感や新年の清らかな心持ちが、静かにそして丁寧に描かれた句です。
著者 / Tommy Ikura
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