季語「春月(しゅんげつ)」の解説と季語を使った俳句の例

春の季節の季語の一つである「春月(しゅんげつ)」です。

春月

「春月」は「春の月(はるのつき)」の子季語です。

季語の解説:

「春月」は、春の夜空に浮かぶ柔らかで穏やかな月を指す春の季語です。冬の鋭く澄んだ月とは異なり、春月はほんのりと霞みがかり、周囲の空気感や景色と調和した優しい光を放ちます。春の訪れを告げるこの月には、温かみや柔らかさ、春の穏やかな夜の情景が感じられます。俳句では、春月を通じて季節の移ろいを表現し、静かな夜の雰囲気やその中に潜む生命の息吹を詠むことが多いです。また、春の夜に月光がもたらす幻想的な風景や、その月を見上げる人々の思いを描写することで、情緒豊かな句が生まれます。

季語を使った自作の俳句:

季語「春月(しゅんげつ)」を使った俳句の例です。[1]

春月や 桜が降る夜 音もなし

解説:春月が照らす夜に桜の花びらが静かに舞い落ちる情景を描写しています。「春月や」という始まりが、春特有の柔らかな月光を背景にしながら、幻想的な雰囲気を作り出しています。「桜が降る夜」という表現は、花びらが静かに舞い落ちる様子を詩的に捉えており、視覚的な美しさとともに春の静謐さが感じられます。最後の「音もなし」が、この光景に静けさを際立たせ、読者に時間が止まったかのような感覚を与える一句です。情景と感覚が絶妙に融合し、春の夜の神秘的な美しさを見事に表現しています。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「春月(しゅんげつ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

春月の 病めるが如く 黄なるかな

作者:松本たかし

春月や 印金堂の 木の間より

作者:与謝蕪村

春月や 室生寺の僧 ふところ手

作者:高野素十

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著者 / Tommy Ikura

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