季語「時雨るる(しぐるる)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「時雨るる(しぐるる)」です。

時雨るる

「時雨るる」は「時雨(しぐれ)」の子季語です。

季語の解説:

「時雨るる(しぐるる)」は、冬の初めから中頃にかけて、冷たい雨が一時的に降る様子を表す季語です。時雨は突然降り始め、すぐに止むという特徴があり、その儚さや一瞬の変化が冬の厳しさや移ろいを象徴しています。「時雨るる」という表現は、季節感を持つ動的な情景描写に用いられ、自然の気まぐれさや美しさを強調します。俳句では、冷たい雨が降ることで引き立つ冬の静けさ、寒さの中に潜むぬくもり、そして人々の生活や感情の変化を詠む際に使われます。この季語は、冬の天候特有の儚さと詩情を巧みに伝える力を持っています。

季語を使った自作の俳句:

季語「時雨るる(しぐるる)」を使った俳句の例です。[1]

時雨るるや 街の時間が 止まりけり

解説:時雨が降り出すことで、街の動きが一瞬止まったように感じられる情景を描いた作品です。「時雨るるや」という冒頭が、突然の冷たい雨による変化を効果的に示し、「街の時間が止まりけり」というフレーズが、雨がもたらす静けさや非日常感を強調しています。この俳句は、動から静への移り変わりを鋭く捉え、時雨という一時的な現象が持つ詩的な魅力を巧みに表現しています。全体として、自然と人間の営みの交錯を感じさせる、深い余韻を持つ一作です。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「時雨るる(しぐるる)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

しぐるるや しぐるる山へ 歩み入る

作者:種田山頭火

時雨るゝや 窯前の老の 煤び髭

作者:幸田露伴

笠もなき われを時雨るるか こは何と

作者:松尾芭蕉

しぐるるや 大講堂の 赤煉瓦

作者:久保田万太郎

しぐるるや 蒟蒻冷えて 臍の上

作者:正岡子規

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著者 / Tommy Ikura

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