季語「底冷え(そこびえ)」の解説と季語を使った俳句の例

冬の季節の季語の一つである「底冷え(そこびえ)」です。

底冷え

「底冷え」は「冷たし(つめたし)」の子季語です。

季語の解説:

「底冷え(そこびえ)」は、冬の厳しい寒さの中でも特に冷え込みが強く、地面や室内の奥深くまで寒さが染み込むような感覚を指す冬の季語です。寒さがじわじわと体に浸透し、動いても温まらないような冷えを表現しています。この言葉は、都市部よりも冬の寒さが厳しい地方や、暖房の届かない静かな場所を連想させ、冬の厳しさを象徴します。俳句では、底冷えする風景や、それに伴う人々の生活、あるいは寒さの中に見える温かさを描写する際に多用されます。この季語は、冬の冷たさをより強く伝えるだけでなく、その中に潜む静寂や生活感を詠むのに適しています。

季語を使った自作の俳句:

季語「底冷え(そこびえ)」を使った俳句の例です。[1]

底冷えや 湯気立つ風呂も 身冷たし

解説:厳しい冬の寒さが風呂の温かさをも超える感覚を描いた作品です。「底冷えや」という冒頭が、冬の寒さが体の芯まで染み渡る状況を的確に伝え、「湯気立つ風呂も」という部分が、温かさを象徴する風呂との対比を際立たせています。「身冷たし」という結びが、寒さに打ち勝てない切実な感覚を読者に共有させ、冬の厳しさをより鮮明に描写しています。

有名な俳句、著名な俳人の俳句:

季語「底冷え(そこびえ)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。

なつかしき 京の底冷え 覚えつゝ

作者:高浜虚子

プロフィール画像

著者 / Tommy Ikura

毎日の暮らしの中で役立つ情報や、趣味に関するコンテンツを分かりやすく解説するサイトを製作しています。