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季語「枯尾花(かれおばな)」の解説と季語を使った俳句の例
冬の季節の季語の一つである「枯尾花(かれおばな)」です。
枯尾花
「枯尾花」は「枯芒(かれすすき)」の子季語です。
「枯尾花」は、冬枯れたススキの穂を指し、晩秋から初冬にかけて黄金色に輝いていた芒が色を失い、枯れ果てた様子を表現する冬の季語です。この言葉には、自然の移ろいの中で朽ちていく儚さと、その中に潜む美しさが込められています。「尾花」という古風な表現が、枯れた芒を詩的に表現しており、日本の四季の繊細な情感を感じさせます。俳句では、「枯尾花」を通じて静寂や寂寥感を描きながらも、その風景の中に残る生命の余韻や自然の美を詠むことができます。また、風に揺れる枯尾花や、その背景に広がる冬景色を描写することで、厳しい冬の空気感を表現する際にも使われます。
季語「枯尾花(かれおばな)」を使った俳句の例です。[1]
今はただ 静かに立てり 枯尾花
解説:枯れた芒(尾花)が風景の中にひっそりと佇む様子を静かに描写しています。「今はただ」という冒頭が、動きのない冬の厳かな雰囲気を強調し、静寂の中に漂う時間の流れを感じさせます。「静かに立てり」という表現は、枯尾花を擬人化し、朽ちていながらもなお自然の中に存在する力強さや孤高の美を象徴しています。全体的に余計な装飾を排した簡潔な表現で、枯尾花の持つ儚さとその中に宿る不変の美しさを鮮やかに表現している一句です。
季語「枯尾花(かれおばな)」を使った有名な俳句や著名な俳人の俳句をご紹介します。
なきがらを 笠に隠すや 枯尾花
作者:宝井其角
ともかくも ならでや雪の 枯尾花
作者:松尾芭蕉
著者 / Tommy Ikura
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